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下肢静脈瘤手術

手術方法
硬化療法
ストリッピング手術 (日帰り手術)

費用に関しては、太字・赤文字で各種保険適用、相談はお電話で窓口まで。

下肢静脈瘤の日帰り手術

◆ 下肢静脈瘤とその治療法について
人間の血管には,心臓から血液を全身に送る動脈と,全身をめぐった血液を心臓に返す静脈とがあります。
下肢の静脈には足の深いところ(巻き寿司にたとえると“具”の部分)を通る深部静脈と表面(巻き寿司の“のり”の部分)を通る 表在静脈とがあり,それらが随所で交通枝により連結します.正常な状態では血液は下から上へ,外から内へ流れて心臓に戻ります。
しかし下肢の静脈はいつも重力に逆らって血液を戻さなければならないため,重力の影響を受けて逆流(血液が足の方向に戻ってしま う)しやすくなっています。長期の立ち仕事,妊娠出産,肥満などは逆流を起こしやすくし,性別では女性に多く,また遺伝素因もあるといわれています。
下肢静脈瘤は,表在静脈や交通枝に逆流が起こることによってうっ血状態となり,静脈が徐々に膨らんで変形して「こぶ(瘤)」のようになった状態をいいます。

この状態が長く続くと外観が悪くなるのはもちろんですが,むくみ,だるさ,こむらがえりや,かゆみ,湿疹などを伴う皮膚炎が生じ,進行すると皮膚潰瘍が出来ることもあります。
下肢静脈瘤には図のように3種類のタイプがあります。
「伏在静脈瘤」は,下肢の内側やふくらはぎを走る太い表在静脈である「大伏在静脈」や「小伏在静脈」に逆流が起こるタイプで,だるさやむくみなどの症状が最もでやすいタイプです.上の右の図は,大伏在静脈に下肢静脈瘤ができる場合を示しています。
他の2種は,さらに表面を走る非常に細い静脈に逆流が起こるタイプで,疼痛などの症状が出ることもありますが,主に美容上気になる方が多いようです。

伏在静脈瘤

網目静脈瘤

クモの巣状静脈瘤

※写真は「ALCARE 株式会社メディカルブックシリーズ」より

静脈瘤の治療を必要とするのは以下のような場合です。
・上記のような症状があるとき
・女性でスカートをはく場合など,症状の有無にかかわらず静脈瘤そのものが美容上気になるとき
治療方法には以下の方法があります。

(1)保存的治療法

生活改善,弾力(弾性)ストッキングなど.下肢静脈瘤の悪化を防止させますが,完全に消失させることはできません。

(2)硬化療法

 局所麻酔のもと,静脈内に細い針を使用して硬化剤(ポリドカスクレロール)を注入することにより静脈瘤の中に血液が流れ込むのを防ぎ、消失させる方法です。術前の検査も不要で,1回20分程度で終わります。
ただしこの治療法は「網目状静脈瘤」「クモの巣状静脈瘤」のような細いタイプ,伏在静脈瘤でも末梢の細い部分などに有効です。治療は日帰りで可能で、時間は1回につき20分程度です。当日は特殊なスポンジを当てて圧迫します。翌日からは,術後に静脈血栓症が起こらないようにするため,弾力ストッキングを術後最低日中のみ約1か月,はいていただきます。お持ちでない方は,当院で医療用のものを販売しておりますので,当院の看護師によりサイズや圧を決めさせていただいた上でご購入ください。
1回の治療での硬化剤の許容量には限界がありますので,静脈瘤の拡がりの程度により治療が1回で済まない場合もあります.その場合,各治療日の間隔は 最低1週間以上あける必要があります。
治療の曜日は特に決めておりませんが,通常は午前診の終了後,12時あるいは12時半ごろからか,午後診前,15時あるいは15時半ごろから開始いたしますので, ご相談下さい。

(3)手術

◆ 高位結紮術
局所麻酔のもと,静脈の逆流している部分を外科的に切断する方法です.逆流は表在静脈と深部静脈との合流部分(鼠径部)や,交通する部分(大腿など)に起こることが多く,その部分をすべて(通常2~6か所くらいになります)検査で見つけて,静脈を直接切断します.結紮術という手術名ではありますが,実際は完全に離断してしまいます(下図左をご参照ください)。
当院では軽度の静脈瘤に対しては,主にこの方法を行っています。
◆ ストリッピング(静脈抜去術)
高位結紮術に加え,逆流している静脈(主にふとももの部分)をできるだけ長く抜き取る方法です。 ふとももの静脈の逆流がひどく,太く目立つ場合などにはこの方法がより有効で,再発が少ないといわれています.当院では,麻酔にはTLA麻酔という方法を用い,抜去には専用の器具(ストリッパー)を用いています。
TLA麻酔により,ほとんどの場合は痛みも少なく安全に行えますが,患者さんの状態によっては腰椎麻酔のもとで受けていただいた方がより安全と判断させていただいた場合は,神戸労災病院などの入院設備のある病院に紹介いたします。

当院では,まず診察をさせていただき,静脈瘤のタイプや程度, 症状の強さなどを考慮し,患者さんの希望もふまえたうえで治療の必要性を判断し,その方法を選択いたします。
弾力ストッキングによる保存的治療や硬化療法の場合は,通常特別な検査は必要ありませんが,手術の場合は検査が必要です.下記をご参照ください。

<手術のスケジュールについて>
手術が決定しましたら,必要に応じて胸部レントゲン,心電図,血液検査,血圧測定を受けていただき,看護師よりスケジュールや弾力ストッキングの説明をいたします。弾力ストッキングは,術後に静脈血栓症が起こらないようにするため,術後最低日中のみ約1か月半,はいていただきます。お持ちでない方は,当院で医療用のものを販売しておりますので,当院の看護師によりサイズや圧を決めさせていただいた上でご購入ください。
手術を行うためには切開する部分を決定するための下肢超音波検査が必要です. 検査は専門の超音波検査技師が行います。あらかじめ月3回(通常土曜日午前1回,平日午後2回)の検査日が設けられていますので,都合のあう日に予約を入れさせていただきます。
手術は,検査日の翌日以降に,患者さんのご希望を考慮して予約を入れさせていただきます。原則として木曜日と日曜日に行います。

検査日
超音波検査を受けていただき,切開する部分にマーキング(マジックでしるしをつける)を行います. 切開線の長さは通常1-1.5cm,数は通常は2-6箇所程度です。検査は20分くらいで終了します. マーキングの箇所は通常2~6箇所程度です. 手術日まではこのマーキングを消さないようにしてください(あらかじめデジカメによる記録は行います)。
手術当日
処置室にて仰向けまたはうつぶせになっていただき,局所麻酔で手術をおこないます.高位結紮術では30分~60分,抜去術では60分~90分程度かかります。
当日は15~30分ほど安静にしていただいた後,歩いて帰宅できます.飲み薬(抗生物質と鎮痛剤)を処方いたします。その後の通常の日常生活はほぼ問題なくできますのでご安心ください。
また,院長の携帯電話番号をお教えいたしますので,術後の経過で不安なことがあれば,診療時間以外でも遠慮なくご連絡ください。
術後2日後
創部の観察と消毒を行います. 合併症予防のため,この日から約6週間,日中だけ弾力ストッキングを着用していただきます.シャワー浴は可能です.なお,ご都合に合わせて術後1日目あるいは3日目など,ずらすことも可能です.
術後1週間後
抜糸を行い,問題なければ治療が終了します。入浴も可能です。この日もご都合に合わせて多少ずらすことは可能です。
なお,通常は可能であれば術後3-4週間後に適宜再診していただき,術後の経過を診させていただければ幸いです。

治療・手術費用について

診 察 ・手術内容 費  用
初 診 時
(初診料、超音波検査、術前検査一式)
約8,000円
ストリッピング手術 約6万円

保険適用
※ 3割負担での費用を示しています。あくまでも目安としての金額表記になります。
※ 1割負担の方は、この33%となります。